between over and over no.1 Bos mutus

1940 × 1300mm, acrylic and oil and VIVIENNE TAM fablic on canvas
2018年 

本作品では、神格化されツエタルとして生息しているヤクをモチーフに制作をしている。ツエタル家畜の個体を、人と神の関係を表す象徴的存在だとする見方のみならず、ヤクや人間との関係を種族の中でのみの約束や限界だとする見方では捉えきれない。むしろ人間個人と家畜個人との固有の関係がツエタル実践そのものであると捉えるべきでる。ツエタル家畜はそうしたインデックスとして働き、自らの外見や経験をもって自分と特定の人間との関係を結ぶ当事者となり、個体性を獲得する。家畜の中におけるツエタルの風習は、従来の産業の価値や消費社会とは違った生き物と人間の関係、殺さずに生かすこととする(生き物の命を解き放つ)共同全体の価値を持っているように感じる。人間が忘れてしまっている万物の在り方や私たちの周囲にある様々なものとの関わり合いにおける実感を思い起こさせるのではないだろうか。

Between over an overシリーズでは、ファッションブランドのVIVIENNE TAMの提供から制作は始まった。提供された布にはブランドのテーマであるアーバンベラーという主題とチベットやヒマラヤを舞台に発表したVIVIENNE TAMの2018年のコレクションの布である。
そのテーマからインスピレーションを受け、チベットやヒマラヤの風習でもあるタルチョ越しに見たことを想定とし、布に風景や、ヤクなど生き物をモチーフに制作をした。布を跨いだあちら側とこちら側は、どちらも繋がっているというイメージで製作をした。

1:作品 / 2-7:作品詳細 details

























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